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更新日:2017年9月29日

法務省人権擁護局長賞受賞について

法務省人権擁護局長賞受賞について

 鳥羽東中学校3年生 松本春香(まつもと はるか)さんが全国中学生人権作文コンテストにて、三重県内で最優秀賞の『津地方法務局長賞』に選ばれ、全国大会にて『法務省人権擁護局長賞』(応募総数7,338校972,553人)を受賞されました。

今回、市ホームページにて受賞作品の全文を掲載させていただきました。

中学生が考える人権についてご拝読いただければと思います。       受賞

                                                三重県大会・最優秀賞受賞式

  『想う力』 鳥羽市立鳥羽東中学校 3年 松本 春香

 こはるちゃん。今年の冬に亡くなった私のひいおばあちゃん。九十七歳のこはるちゃんは、とても素敵な人だった。

 十人兄妹の七番目に生まれ、答志島で呉服屋をしながら私の祖母と母を育てた。ひいおじいちゃんは、鳥羽小学校の先生をしていた時に戦争で亡くなったそうだ。それから二十五歳のこはるちゃんは一人懸命に生きてきた。

 そんなこはるちゃんが、自分の力で生活できなくなってきたのが、八十代後半と聞いている。私が生まれた頃は、おんぶをしたりお世話をしてくれていたが、病気、入院をくり返し、だんだんと弱くなっていった。しばらくは、介護制度を利用し、デイサービスなどを受けながら島で祖母と暮らしてきた。

 しかし、九十歳になった頃には、島の中での介護生活は不便になっていた。陸地では当たり前のことも、島では限界がある。ヘルパーさんは、一日に何度も来てはもらえないし、自分で身体を自由に動かすことができない人への介護は、想像できないくらい大変なことだ。

 こうして、六年前にこはるちゃんたちは我が家へやってきた。祖母も身体が弱いので、母と一緒にいろいろなサービスを考えながら、共に暮らすことになった。

 こはるちゃんは若い頃、お姑さんを十年も介護したそうだ。その頃は、もちろん今のようなサービスは一つもないし、布のおむつを手洗いしていた時代。嫁ぎ先では、子育てもしながら、反物を仕入れ、着物を仕立てる仕事をしていた。たった一人で家計を支えてきたのだ。昔は、こはるちゃんのような人がたくさんいたのだと思う。

 そんな時代の中で、一生懸命生きてきたこはるちゃん。何でも器用に物づくりをし、とてもおしゃれで綺麗な人だったと島の人が教えてくれた。年をとって、自分の身体がだんだん思うようにならなくなって、いら立ち、辛かった様子もあったそうだ。身体も言葉も月日と共に、だんだんと不自由になっていったが、それでも好きだった戦前戦後の歌を聴いたり、歌ったりする姿はとても幸せそうだった。そして、ⅭⅮよりも、人と一緒に歌うときの方が生き生きしていたように私は覚えている。好きなことがあるということは、とても大切なのだとこはるちゃんに教えてもらった。

 そして最後の時、こはるちゃんは、口から何も食べ物が入らず、点滴もできなくなった。それでも一滴の水分のないまま、十日間も生き続けてくれたのだ。目が開く力も、言葉を話す力もなくなっていたが、心が通じている、想いが伝わっていることは、私たちには分かった。私たち家族のために、必死に生きようとしてくれたこはるちゃんの想いをあの時、みんなが感じていた。

   あれから半年、母にどうして在宅介護を選んだのか聞いてみた。     発表

 「自己満足よ。こはるちゃんの側にずっといられて幸せだったけど、本当は、どうしてほしかったのか分からないよね。でも、いっぱい、たくさんの人に助けてもらったよ。ヘルパーさん、ケアマネさん、看護師、医者、入浴や介護用品の方々。すごいチーム力で支えてもらった。一人では絶対に無理だった。」

 私は、一番近くで母を見てきて、介護の大変さも、大切な人を看とることの難しさも感じたけれど、一人の力じゃない。母を支えてくれた友人や、親せきの人の温かい力も、すべて大事だと知ることができた。そして、母にはその事も幸せだったんだなと感じることができた。

 これから、たくさんの介護が必要な社会を私たちは生きていくことになる。今の時代は、昔、布のおむつをがんばって洗ってきた人たちの苦労が作ってきたものだ。これからの未来をつくっていく私たちは、その歴史を知り、忘れることなく、そこに人、そして家族への「想い」を持って、社会を作っていかなければならない。その想いとは、介護される側の痛みや苦しみを想像する力だと私は思っている。何も伝えられず泣くだけの赤ちゃんの気持ちを推測するように、側にいる者が精一杯想うことだ。それは、意思表示されることがない障害者の方への気持ちにもつながると思う。

 そして、その想いは、友人や家族だけでなく、見知らぬ人への目に見えないあったかい気持ちに必ず通じていくはずだ。

 私たちも、いつか介護をされる歳になる。まだまだ先だけれど、介護をする者もされる者も幸せになるように、心のある制度ができるよう、一生懸命その未来を作っていこうと思う。                       

 『想う力』鳥羽東中学校 3年 松本春香 人権作文・原文(PDF:270KB)   披露

      受賞者一覧(法務省)(外部サイトへリンク)(別ウィンドウで開く)          

 

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所属課室:市民課人権・生活係

〒517-0011 三重県鳥羽市鳥羽三丁目1-1

電話番号:0599-25-1126

ファックス番号:0599-26-4325