令和5年度 施政方針

更新日:2023年05月30日

令和5年3月1日 鳥羽市議会会議において

はじめに

歴史ある鳥羽市長として、平成29年4月に就任してから6年が経ち、これまで色んな思いや考えで様々な場所に沢山の種を蒔いて、鳥羽市の発展を目指してまいりました。


自分の思い描いていたとおりに大輪の花を咲かせた事業もあれば、 想像したものとは違うけれど思わぬところで実をつけてくれた事業などもあり、愛着ある鳥羽のまちに様々な花が咲き始めているところであると感じております。


これからもその花や実たちが美しく咲き続け、また新たな種となって次の世代に繋がっていくように、引き続き、頑張っていきたいと考えておりますので議員の皆様におかれましては、ご理解、ご協力の程、よろしくお願いいたします。

コロナ対策の転換点と新しい時代に向けた一歩

さて、ここ数年の状況を振り返ってみますと、コロナによる影響を抜きにして、語ることは出来ません。当初は、未知のウイルスであった新型コロナウイルスもその姿をアルファ株やオミクロン株などと変異を繰り返す中、最前線で不撓不屈の精神で対応に当たられてこられた医療従事者を始めとする 関係者の皆様方に対して、改めて敬意と感謝を申し上げるとともに、それらを支えてこられた家族や周りの方々の献身的なサポートにも頭が下がる思いであります。


また、テレビや新聞などでエッセンシャルワーカーという医療・看護の分野だけでなく、介護や福祉、運送や物流、公共交通やゴミ処理など、私たちの生活に欠かすことのできない分野で活躍される人々の姿が、大きく取り上げられ、その重要度が再認識されてきたのも印象的なことでありました。


我々、行政もその一員として、地元の志摩医師会や地域の皆様など、様々な関係者の協力の下、ワクチン接種を始め、公共交通、 ゴミ処理など、市民の生活を支える縁の下の力持ちとして、頑張ってきた職員の努力を誇らしく思っております。

一方で本市の主要な産業である漁業や観光業などは、景気の動向に左右されやすく、緊急事態宣言などにより全国規模でこれまで 経験したことの無いほど、人や物の流れが停滞したことから、先行きが不透明であったがゆえに、今後の心配や不安の声が聴かれたこともありました。


そのような状況下でも頑張っておられる地域経済の下支えとして、観光誘客キャンペーンやキャッシュレス決済、相談員の配置など、その時々の状況に応じて予算を編成し、地域経済の下支えに努めてまいりました。


今後も必要な支援については、観光振興基金等を活用し、効果的な対策に取り組んでまいりたいと考えておりますので、ご理解の程、よろしくお願いいたします。
また、これからのことに目を向けてみると、国は特段の事情が 無い限り、5月8日には、新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけを2類相当から5類へ移行すると報道されております。そのため、コロナ対策の大きな転換点を迎えることとなります。


未だゲームチェンジャーとなるような特効薬が市販されている 状況ではありませんので、引き続き、自分や大切な人のために適切な感染予防対策を行うのは勿論のことですが、マスクの入荷状況に 一喜一憂していた日々から考えてみると、新しい時代に向けた一歩を踏み出したと感じているのは私だけではないと思います。

近年のコロナ禍に加え、世界的なエネルギー価格の高騰等による物価の上昇や、喫緊の課題である少子高齢化に伴う人口減少など、先行きの見えない不透明感や漠然とした不安による閉塞感などに 立ち向かうべく、私どもは、国から交付された地方創生臨時交付金などを活用して対応してまいりました。水道基本料金の減免や、 とば市民応援券の配布、介護事業所等への支援金のほか、海洋教育や地域経済の域内循環、地域共生社会の実現などの様々な取組を 進めてきた次第であります。

新年度予算の概要

令和5年度は、更にその歩みを進めるべく、これまで総合計画で目指すまちの姿に向けて実施してきた事業に加え、新しい時代に 向けた挑戦的かつ萌芽的な試みにも予算を措置し、先人より受け継いできた歴史に更なる厚みを加えていきたいと考えております。


このようなことから今回、提出いたしました当初予算案について述べさせて頂きますと、主なソフト事業では、例えば、医療・福祉分野では、医療とモビリティ、ICTなどを掛け合わせた医療MaaSの実証調査や、AIを活用した一人暮らし高齢者のフレイル検知サービスを導入してまいります。人口が減少していく中でも、新しい技術を活用しながら市民が住み慣れた地域で安心して暮らしていけるように、持続可能なまちづくりを進めて行きたいと考えております。


産業分野では、仮想空間を活用した観光情報の発信や、フランス訪問などによりコロナ禍で停滞していたインバウンドの受入を促進してまいります。また、海洋環境の変化に対応するため、生産性や価値の向上に取り組む漁業者への支援やアワビの種苗放流拡充に 加え、官民協力の下、海洋DXにおける水中ドローンやブルーカーボン貯蔵量の自動計測など、脱炭素社会に向けた鳥羽ならではの 特色ある事業に取り組みます。このように、これからも豊かな海の恩恵に感謝しつつ、選ばれる観光地としての誘客促進や魅力ある 鳥羽市を子どもたちに引き繋いでいけるように努めてまいります。

その他、光熱水費や食材など、引き続き、物の値段が高騰している状況においても、保育所や小中学校の給食食材を支援し、安全・安心な給食の提供を実施することで子育て世帯への経済的負担を 軽減してまいります。また、企業版ふるさと納税を活用したゴミ排出の可視化や、子どもたちへの海洋教育などSDGsを意識した取組のほか、地域公共交通のあり方や、地域の関わり方などを総合的に検討していくことで、コンパクト+ネットワークや社会資源の適正化を図り、これからのまちづくりに活かしてまいります。

大規模なハード整備としては、離島住民にとって欠かすことのできない定期航路事業において、新たな船を建造することで乗船客の利便性と快適性を向上させつつ、近い将来をも見据えた運航体制を整えてまいります。加えて、鳥羽東中学校への統合に伴う通学路や校舎等の計画的な整備を行い、鳥羽の宝である子どもたちに安全・安心で快適な教育環境を提供できるように努めてまいります。

このほか、これからのまちづくりにおいても、引き続き、都市計画マスタープランや大明地区の雨水管理総合計画などの各種計画を策定していくとともに、鳥羽に住んでいて良かったと言ってもらえるような持続可能で安全・安心なまちづくりの整備を進めてまいります。また防災対策でも、近年、激甚化・多発化している自然災害への備えとして、鳥羽ポンプ場の改修工事や菅島保育所の耐震補強工事などのほか、津波避難場所等への避難路や自主防災倉庫の整備など、減災への取組を進めることで地震・津波による死者数を限りなくゼロへ近づけられるように市民や行政も一緒になって、お互いが出来ることを続けていきたいと考えております。

以上、新規拡充事業等を中心にご説明申し上げてまいりました 令和5年度当初予算案につきましては、一般会計の予算規模で 124億6,000万円となり、この一般会計に5つの特別会計予算の総額72億4,700万円と企業会計予算16億9,620万円を加えた令和5年度の当初予算総額は、214億320万円となっております。

(条例議案説明省略)

 

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