神島入荒布船木札(6枚)

更新日:2022年10月19日

種別 有形文化財 古文書

所在地 鳥羽市神島町

指定日 令和3年3月24日

【概要】

本資料は、神島への入船(舟航)と、荒布(あらめ)の採取(漁業)の2点を許可した木製の札である。いずれも永禄6(1563)年5月29日付け6枚だが、記載内容から本来は7枚存在したと考えられる。それぞれの表裏面には、花押のみ異なるが、ほぼ同一内容の文面が墨書されている。用材はいずれも針葉樹で、ヒノキと考えられる。一辺約16.5センチ(5寸半)四方、厚さ約2センチの板材で、6枚の大きさは概ね揃っている。
墨書は、1面あたり5行取りで完結したものが6枚の表裏面に全てに見られる。記載内容は、木札6の裏面では「船頭」の文字が抜けているが、他は全て同文である。1行目は文書でいう事書で、荒布採取のために神島に入る船であることを示す。2行目は船の規模と数。3行目は花押及び1艘あたりの船数、そして一面を除き「船頭」と記載される。
本資料は許認可証書だが、紙で発給されたものが多いなか、木札である点に特徴がある。また、室町戦国時代における過書及び漁業の許認可にかかる木札の実例として、全国的に見ても稀有なものである。

 

神島入荒布船木札