種苗生産

更新日:2022年12月23日

黒ノリの種苗生産

黒ノリ(スサビノリ)養殖は9月末ごろ、ノリ網に黒ノリの殻胞子(かくほうし)を付着させることから始まります。その殻胞子を放出させるためのものが種苗であり、貝殻にノリの糸状体(胞子体)を潜り込ませたものになります。
黒ノリの生活史の中には糸状の体で貝などに潜り込む時期(胞子体世代)があり、その状態の体がしっかりと成熟すると殻胞子を放出します。
この殻胞子を放出する状態になっている「種貝」を作ることを黒ノリの種苗生産といいます。

1.生長速度と形が良い物を母藻として採取する。

2.成熟した葉を選ぶ。

3.胞子が放出されている。

(葉先を拡大、胞子の直径は5μm)

4.胞子を育てて糸状体(胞子体)にし、

   増殖させる。

5.水槽に並べた牡蠣殻に細断した胞子体を

   散布する。

6.胞子体は糸状で貝殻に潜りこみながら生長す

  る。生長すると赤い斑点のように見えてくる。

7.生長が進むと色も濃くなり、斑点も大きく

   なる。病気に気を付けながら培養する。

8.出荷間近の種苗。光の明るさや海水の塩分

  などに細心の注意を払いながら育てる。

  成熟も進み、殻胞子をたくさん作っている。

ワカメの種苗生産

ワカメ養殖は、11月頃に海面に設置した浮き流し式筏のロープに幼ワカメ(幼胞子体)が付着している種糸を巻き付けることで始まります。この種糸がワカメ種苗です。

1.形の良い大きなメカブを採取する

2.水槽の中で胞子(遊胞子)を放出させる

3.枠に巻き付けた糸に遊走子を付着させ、

 「種糸」にする

4.夏の間は薄暗くして保存培養するが、9月には

   明るくして生長させる。

5.茶色い粒子だったものがワカメの幼体(写真

   中央のへら状のもの)に生長する。

6.ある程度生長させたら(0.3mm程度)、

   海上の筏に吊るして、さらに生長させる。

7.数mm程度に生長したら種苗が完成する。