海女漁業文化-海女漁業の振興、海女文化の保存・継承-

更新日:2022年03月31日

潜水
海女小屋
答志
あわび

「海女サミット2021in鳥羽」を開催します!

全国で多くの海女さんが操業するなか海女漁業を取り巻く環境は、高齢化による担い手不足や水産資源の減少など厳しい状況が続いております。また、昨年から新型コロナウイルス感染症の全国的な蔓延により、水産業全体で魚価の低迷や流通の停滞などが続くとともに、これまで、色々な形で実施してきた海女同士の交流や情報交換が図れずにいます。

このような状況のなか、海女漁業の振興や海女文化の保存・継承、更にはユネスコ無形文化遺産登録に向けた取り組みを進めるとともに、コロナ禍での海女漁業の現状等を共有することを目的に「海女サミット2021 in鳥羽」を開催します。

  • 日時 令和3年11 月20 日(土曜日)9 時30 分~13 時頃
  • 会場 鳥羽市民体育館(サブアリーナ)
  • 開催方法 鳥羽志摩の海女さんは会場で参加

全国の海女さんはオンラインで参加

(注釈)都合の付く方はぜひ会場へ。無理な方はオンラインで参加下さい。

「海女サミット2017in鳥羽」が開催されました!

平成29年10月27日(金曜日)・28日(土曜日)の2日間、タラサ志摩ホテル&リゾートと鳥羽市立海の博物館を会場に、「海女サミット2017in鳥羽」(主催:海女振興協議会)が開催されました。

今回のサミットでは、「輝く海女のパワー!世界遺産を目指して」を大会スローガンとして、全国(10府県・韓国)から122人の海女さんが参加し、アワビ稚貝の記念放流、記念シンポジウム、大交流会、トークセッションなどが行われ、海女さんのパワーをしっかりと感じ取れるサミットになりました。

海女文化は、平成29年3月に「鳥羽・志摩の海女漁の技術」が国重要指定無形民俗文化財に指定されるなどして、注目を浴びてきている反面、漁獲量の減少や高齢化等により後継者不足が否めないという課題にも直面しています。

海女振興協議会では、今後も海女サミット等を通じて、海女漁業の振興や海女文化の保存・継承に向けて取組みを進めていきます。

海の前で記念撮影を行う海女さん
ホール内で席に座っている「海女サミット2017in鳥羽」の参加者たち
記念撮影を行う「海女サミット2017in鳥羽」の参加者たち

『鳥羽・志摩の海女』が、国の重要無形民俗文化財に指定されました!

平成29年1月27日に開催された文化審議会文化財分科会において、「鳥羽・志摩の海女漁の技術」として国の重要無形民俗文化財へ指定答申を受け、同年3月3日には指定証書交付式が開催され、正式に指定されました。文化庁からその重要性が次のように発表されています。

「鳥羽・志摩の海女漁の技術」概要(略)

1.文化財の特色

当地の海女漁は、特に伊勢神宮との関係性も含め、古来より伝承されてきたと考えられ、現在、その従事者数は全国で最も多い(約750人)技術伝承のあり方としては、採取方法はもちろん、危険察知の仕方、半飼育的な漁獲物の温存法など常に集団を介して維持されている。あわせて、これらに伴う呪法や周辺習俗もよく保持しており、我が国の海女漁を理解する上で重要である。

2.文化財の説明

当地の海女漁は、社会的な規律を前提に、その枠内で個人が行うものである。磯海の資源は掛け替えのない共有財産と位置づけられ、濫獲防止など、自然環境に対する秩序維持の意識が顕著である。こうした伝統を背景に培われた技術伝承においては、とりわけコミュニケーションの場としての海女小屋が果たす割合は大きく、ここで漁に関する知識や情報を得ることが専らである。また、セーマン・ドーマンと称する当地特有の魔除けの印など、周辺習俗も併せよく伝えている。

祝国 文化財指定答申「鳥羽志摩の海女業の技術」

『鳥羽・志摩の海女漁業と真珠養殖業-持続的漁業を実現する里海システム-』が日本農業遺産に 認定されました!

平成29年3月14日付で、農林水産省は「平成28年度第1回世界農業遺産等専門会議」の評価結果を踏まえ、世界農業遺産への認定申請に係る承認及び日本農業遺産の認定を行う地域について決定しました。

日本農業遺産は、我が国において将来に受け継がれるべき伝統的な農林水産業システムを広く発掘し、その価値を評価するため、農林水産省が昨年度創設した制度で、平成29年3月に三重県の2地域を含む7県8地域が初の日本農業遺産に認定されました。

今後は、世界農業遺産への登録を目指し、保全計画を制定し課題の解決と持続的な発展を図るなど、引き続き海女文化の振興に努めていきます。

日本農業遺産認定の画像

海女とは

海女とは、素潜りでアワビやサザエ、海藻等をとる漁を生業とする女性たちのことで、他には類のない女性の漁師さんと言えます。

海女の歴史は古く、縄文時代や弥生時代の貝塚からは、大きなアワビ貝や、それを採るために使ったと思われる、鹿の角を加工した道具が発見されていることから、男女の別はわからないにしても、古代から受け継がれている漁法であるとの研究者の報告があります。

海女漁は、素潜りという独特の潜水技術による漁法で自然なる海の獲物を採り続け、長い時間、持続してきた素晴らしい漁法です。また、その持続性・継続性には大きな意味があり、地域ごとに厳しく漁期を定めたり、漁獲できる貝の大きさを定めるなど、多くの約束事を決めて、漁獲対象とする資源を「獲りすぎないよう」、「獲り尽くさないよう」に守り続けているのです。

現在、日本には、約2,000人の海女が現存しています(2010年海の博物館調査)。そのうち鳥羽市・志摩市には、全国でも最多となる約750人の「海女」が操業しています。しかしながら、海女を取り巻く環境は、漁獲資源の減少や海女数の減少と高齢化、後継者不足といった厳しい課題に直面しています。

このようなことから、平成24年6月に鳥羽市と志摩市、両市海女、三重県、漁協、観光商工団体に学識経験者等により海女振興協議会(会長海の博物館館長石原義剛)を組織し、海女漁の振興・海女文化の継承保存活動を行いながら、漁業面、文化面、観光面において更に振興し、地域活性化につなげていくための取り組みを行っています。

石鏡海女2
しろんご2
磯メガネ
水面
くざき

目で見る鳥羽・志摩の海女

目で見る鳥羽・志摩の海女海の博物館編の表紙

海女振興協議会と財団法人海の博物館が共同で作成した海女ガイドブック「目で見る鳥羽・志摩の海女」をご紹介します。

『目で見る鳥羽・志摩の海女』日本語版

『目で見る鳥羽・志摩の海女』英語版

これまでの海女文化に関する経緯

2007年10月:済州島で開催された「第2回海女博物館韓・日国際学術会議」にて海の博物館石原義剛館長が「志摩の海女」について講演

2008年6月:「第3回海女博物館韓・日国際学術会議」が開催され、石原館長と本市答志島の海女2名が招待される。(済州島にて海女道具一式を「海女博物館」に寄贈)

2008年9月:島の旅社と市が連携し、日韓海女交流会を開催し、答志島、神島、菅島において地元海女と済州島海女の交流を図った。

2009年6月:海の博物館と本市が連携し、海女ガイドブック「目で見る鳥羽・志摩の海女」発刊

2009年10月:「日本列島海女さん大集合海女フォーラム」を本市において開催。全国各地、韓国済州島の海女を迎えて交流を図る。

2010年9月:「日本列島海女さん大集合第2回海女サミット」を志摩市において開催。全国各地、済州島の海女を迎えて、情報の共有と交流を図る。

2010年10月:韓国済州島において開催された「第3回海女祝祭」に本市副市長とともに、本市菅島の海女が招待される。

2010年10月:済州市観光振興課交流協力担当他6名が本市へ表敬訪問し、済州島海女との交流を深める。

2011年10月:海女サミット2011日本列島海女さん大集合を本市において開催。全国各地、韓国済州島の海女を迎えて交流を図る。

2011年2月:外務省による韓国メディア招聘事業において、韓国メディア関係者14名が本市を訪れ、海の博物館等を視察

2011年10月:海の博物館と本市が連携し、海女ガイドブック「目で見る鳥羽・志摩の海女」ハングル語版発刊

2011年10月:韓国済州島において開催された「第4回海女祝祭」に本市市長をはじめ、鳥羽・志摩の海女(相差、答志、御座)が訪問し、済州島海女との交流を深める。

2012年5月:両市の海女を中心に、県、鳥羽・志摩の両市、両市の漁協、観光・商工団体が参画する「海女振興協議会」が設立される。

2012年7月:韓国で開催されたヨス万国博覧会へ鳥羽市海女10名と鳥羽市副市長をはじめとする関係者で出席。日本館の7月19日のイベントとして、鳥羽、志摩両市や東日本大震災で被害を受けた東北の海女らと済州島の海女らによる伝統の唄や踊りの披露、日韓両国の海女の活動報告のほか、海の博物館の石原義剛館長をコーディネーターにした日韓の女性の学識経験者らによるシンポジウムを開催した。また、海女道具や海で働く人たちの写真、海女をテーマとした銅版画も展示した。

2012年9月:韓国済州島において開催された「第5回海女祝祭」へ、海女振興協議会より三重県国際・観光局長、鳥羽市長とともに、鳥羽志摩海女11名(うち4名は済州道からの招待)が参加。

2012年10月 海女振興協議会が主催する「鳥羽・志摩の海女さん大交流会」をホテル志摩スペイン村で開催した。鳥羽・志摩の海女50名と済州島の海女4名をはじめ、海女振興協議会委員などが参加した。

2012年12月 東京都港区の日本財団ビルにおいて、鳥羽商工会議所との共催により「多くのひとに「海女文化」を伝えるためのフォーラム」を開催した。三重県の海女文化の歴史と現在についての講演を行ったほか、韓国からも講師をお迎えし、韓国の海女の歴史と現在についてもお話をいただいた。

2013年10月:韓国済州島において開催された「第6回海女祝祭」へ、海女振興協議会より三重県農林水産部次長、志摩市長とともに、鳥羽志摩海女10名(うち4名は済州道からの招待)が参加。現地にて輪島市の海女一行とも合流し、韓国の海女文化を学んだ。

2013年10月:石川県輪島市で「海女サミット2013 in わじま」が開催され、鳥羽志摩の海女15名も参加。韓国済州島からも3名の海女が参加し、交流を深めた。

2013年11月:済州道下道里の海女18名を含む21名の皆様が鳥羽を訪れ、鳥羽市副市長の歓迎の挨拶のあと、海の博物館視察、相差海女との交流会を行った。相差では昼食交流、合唱・踊りの披露などで交流を深めるとともに、海女小屋の見学など日本の海女の状況を視察された。

2014年1月:海女漁を中心とした海女文化が三重県無形民俗文化財に指定される。

(正式名称『鳥羽志摩の海女の伝統的な素潜り漁技術』)

2014年3月:国内や済州島の専門家を講師としてお招きし「海女文化シンポジウム~海女は輝かしい未来をつくる~」を三重県立美術館(津市)において開催した。日韓の海女の歴史文化や資源についてお話しいただいた。

2014年10月:海女サミット2014in志摩を、鳥羽市のお隣の志摩市において開催。全国各地、韓国海女の交流や種苗放流などを実施し、海女文化の振興を行う。

2015年7月:日韓国交正常化50周年記念事業として、日韓に共通する「海女文化」をモデルに鳥羽・志摩および韓国の済州・釜山などで学生を中心とする若者の交流を行い互いの理解と親交を深める。

2015年11月:海女サミット2015in鳥羽を開催する。日韓の海女の交流を鳥羽商工会議所にて行ったほか、答志島にて記念放流を行うなど、海女文化の発展に努める。

2016年11月:海女サミット2016in志摩を開催する。日本水産増殖学会との共催で行われ、大学生約50名が参加する。交流会では安倍昭恵首相夫人も参加し、海女文化の普及啓発活動を行う。

2017年3月:「鳥羽・志摩の海女漁の技術」が国の重要無形民俗文化財に指定される。

2017年3月「鳥羽・志摩の海女漁業と真珠養殖業-持続的漁業を実現する里海システム-」として日本農業遺産の認定を受ける。

2018年7月:済州芸術文化財団一行が鳥羽志摩地域へ来日。済州海女祝祭への参加について打診があり、海女をテーマにした地域間交流について意見交換を行う。

2018年11月:海女サミット2018inわじまを開催する。全国及び韓国(済州島)から多数の海女さんが集まり、海女の多様な文化性をテーマにしたシンポジウムやパネルディスカッションなどが行われる。

この記事に関するお問い合わせ先

農林水産課 水産係
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